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R5クローバー2号

 視覚支援担当者研修会から~放課後等デイサービス事業所との連携~

本校では、毎年5月に視覚支援担当者研修会を開催しています。この研修会は、見え方に不安のある乳幼児から児童生徒、成人の方を支援している担当の方々を対象としている会です。
今年度は、教育と福祉が連携して見え方に不安のある子どもの支援を図っていけるように、教育関係機関に加えて本校の児童が利用している放課後等デイサービスへ事業所にも案内文書を出し、7名の参加がありました。
講義・演習では、見え方に応じた行動特性や配慮したいことを具体的にお伝えしました。また、授業参観や視覚補助具の体験を通して、環境整備や教材づくりのヒントが得られたことが感想から伺えました。
障害のある子どもの生活の場の一つとして放課後等デイサービス事業所の利用者が増えていることから、今後も教育と福祉が連携していけるよう本校においても効果的な研修会を計画していきます。
※パンフレットは秋田県教育庁特別支援教育課のHPからダウンロードできます。
(文責:佐藤友紀子)
 
障害理解授業の様子
6月23日(金)大住小学校の図書室で4年生約80名に障害理解授業を行いました。
視覚支援学校の見えない・見えにくい児童・生徒も点字や拡大教科書、iPadを活用して、皆さんと同じ学習をしていること、給食のお皿などの物の位置はクロックポジション(どこに何があるのかを時計の短針に例えて知らせる手段)で伝えることで把握できることを、質疑応答を交えながら紹介しました。また、信号機の前などで白杖を持った人がいたら、「青ですよ。」「何かお手伝いすることはありませんか?」と声をかけてくれると、とても助かることを理解してもらいました。
後半の点字体験では、児童一人一人が点字に興味・関心をもち、実際に簡易点字器で真剣に自分の名前や好きな食べ物を書く姿が見られました。児童の皆さんからは「困っている人がいたら声をかけてみたいと思います。」「点字の形が分かって楽しかったです。」という感想がありました。
未来を担う小学生が、今まで抱いていた障害に対する思いを新たにして、今回の障害理解授業で学んだことを生かし、共に生きるユニバーサル社会に少しでも近付けてほしいと願わずにはいられませんでした。
授業で紹介したスライドより
スライド1 見えない・見えにくい人との関わりを知ろう
こんなときは声をかけてほしい
道路やお店で、白杖をもって立ち止まっているとき
(困っている顔でキョロキョロしている人のイラスト)
スライド2 点字を体験しよう
(点字の6つの点のイラスト)
点字のルール 読む方向は左から右へ 書く方向は右から左へ
書いてみよう!
 (文責:佐藤 均)
 
「理療科」における教科・自立活動の指導の工夫~学習と生活の礎~
「理療科」は、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師を目指す職業課程です。国家資格取得を目標に見えない・見えにくい環境を補いながら、日々頑張っています。ここでは、「理療科」のうち専攻科保健理療科のAさんの学習の様子を中心に紹介します。
解剖学や生理学では、人体を構成する組織や器官系など、複雑な内容を精選して伝えるため、情報を図式化して板書したり、人体模型を丁寧に触って確認したりしています。残存する視機能も活用しながら、科目の特性に応じた指導を行っています。文字の大きさや距離への配慮だけでは、対象物を認識することが難しい生徒への学習支援として、色のコントラストを強くしたり、手元で大きさを調節できるようにiPadで撮影したりするなど、学習場面によって手立てを工夫しています。
音声パソコンとデイジー再生・録音機
視覚からの情報を補うため、パソコン操作を音声で案内する画面読み上げソフト※1を使って、事前に提示された授業資料(データ)を繰り返し確認したり、学習内容をパソコンに打ち込んだりしています。
※1 画面読み上げソフトとは
見えない・見えにくい方が簡単にパソコンを操作できる音声ソフトです。
デイジー※2再生・録音機は、視覚障害者用ポータブルレコーダーで、デイジー専用の再生機です。音声教科書などの録音図書を再生することができます。目次や索引から目的のページへ移動したり、しおりを付けたりすることもできます。国家試験の音声受験や日常の読書など、将来の生活のために使い方を学習しています。
※2 デイジーとは
視覚障害等により、一般的な印刷物を読むことが難しい方々のために、開発されたデジタル録音図書です。
点字とパーキンスブレイラー
点字は6つの点の組み合わせでできています。点の組み合わせを覚えるのも大切ですが、点を形として意識するようにします。また、「点字は凸の点」を触って読むというイメージがありますが、「点と点の隙間」にも着目しています。中途視覚障害者は、これまでの生活で培った語彙や文章の読み書きの経験が豊富です。推測を働かせて、点字を半分は頭で読むつもりで触読するように伝えています。一語・一文字を丁寧に読む場面も大切にしつつ、「読めた」という自信につなげたいからです。
パーキンスブレイラーは、点字を打つための点字タイプライターです。6本の指に対応するキーを操作して点字を打ちます。点字を読む側の凸面と同じ配列なので、書いた点字をすぐに触って確認できます。タックペーパーと呼ばれる点字用シールに点字を打って、単語カードに貼るなどして、学習に役立てます。最近は、毎日の給食献立を点字で確認したり、先生が書いた短い点字の手紙をじっくり読んだりしています。先日は、お誕生日メッセージを点字で書き、コミュニケーションにも役立てています。         
 
 
お問い合わせは秋田県立視覚支援学校 ロービジョン支援センターへご連絡ください。
相談支援担当  中村素子(教頭)、銭谷寿、畠山尚子、石塚さおり、秋本久美子
〒010-1409 秋田県秋田市南ケ丘一丁目1番1号
TEL 018-889-8571  
FAX 018-889-8575
E-mail shikaku-s@akita-pref.ed.jp
 
 

 

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