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R4クローバー3号
小中学部の授業実践から ~児童生徒支援班~
~居住地校交流の機会を活用した社会科町探検と地図の活用~
小学部3年社会科「わたしたちのまちと市」の単元は、児童が暮らす身近な地域の様子について調べる学習です。居住地校と学習内容を合わせ、同学年の友達と町の様子について調べました。
友達と一緒に十分な探検活動を行うことができるように、見えにくさへの配慮として、以下のように工夫しました。児童は「相手の話を聞くこと」「画像で記録する、拡大して視ること」「後で、情報を整理すること」に集中することで、友達と一緒に活発に町探検をしました。「実際に歩いた体験」と「地図」を関連付け、その面白さを知る機会となりました。
【ポイント】見やすさに配慮した地図の工夫(事前に頂いた地図データの情報量の精選)
地図の拡大、線の精選と強調、川や線路の色分け、歩く予定の道の明確化
※地図に文字はできるだけ記入しない
【ポイント】探検活動中の児童の発見を書き留める活動の精選(活動の保証)
(児童)地図とキーワードカードに★シールを貼る、タブレット端末で写真を撮る
(教師)★印を貼ったキーワードカードに、児童が発見した場所に書き取る
【ポイント】振り返り(町探検後、友達の考えも取り込む)
友達の発言や発見は新しいキーワードカードを作る、地図にその番号、名称を書き入れる
~体験活動を言語活動の広がりへ~
小学1年生の国語科「くちばし」で、「(鳥の)くちばしの特徴と使い方」「何を食べるか」を『問題と答え』の順で読み取りをする活動があります。国語科の学習と生活科「なかよくなろうね 小さなともだち」とを関連させて、校外学習で秋田市大森山動物園に行き、モルモットやウサギと触れ合う活動を実施しました。
この他にも、ペンギンやフラミンゴなどの動物を見て、発見したことを「動物クイズ」にまとめました。動物クイズは、国語科「くちばし」の題材のように、校外学習で発見したことや感じたことを基に、鳥のくちばしやモルモット、ウサギに触れた中から『問題と答え』を考えました。実際の体験から「なでるとおとなしくなった」「すこしあたたかい」と、知ったことや感じたことを児童の言葉で表す様子がありました。
【ポイント】実体験を通して予測と確かめをし、フィードバック
・予測と確認の視点(「足の数は?」「触った感触は?」「しっぽや耳はあるの?」「からだの大きさは?」)
・直接触れる体験とタブレット活用による見やすさの確保
【ポイント】発見や気付きを言葉で表現
・体験したことを児童の言葉で表現「動物クイズ」
~児童自らが見やすさに合った工夫をして取り組む制作活動~
小学3・4年生の図画工作科「クミクミックス」は、段ボールの板に切りこみを入れて、組み合わせることによってどんな形ができるか考え、一人一人が工夫することによっておもしろい作品ができる活動です。
本校の児童二人が段ボールカッターを使って、段ボールに切りこみを入れ作品作りに取り組みました。徐々に段ボールが切れる感覚をつかみ、安全に道具を操作する方法を身に付けました。また、活動が進むにつれ児童自身が切りたい位置に自分でフェルトペンで印を付け始める姿を見ることができました。切りこみを入れた段ボールどうしを組み合わせて、「わにのお母さん」「といぷーどる」などのダイナミックな作品を完成させることができました。
【ポイント】道具の安全な操作に向けて
・段ボールカッターの刃の位置の確認
・段ボールを切るときの刃の当て方や動かし方の練習
【ポイント】切る位置が分かりやすい作業環境
・段ボールを切る作業台の縁に黒ガムテープの貼り付けと、床にビニールシートを敷くことで、切る位置と床面との違いにコントラスト
・段ボールの切りこみの位置に黒マジックで目印
サテライト教室 ~大館地区から~
~視覚補助具の活用に関する支援~
サテライト教室では、地域の小・中学生とそのご家族、在籍校の先生方へ視覚補助具・支援機器の活用に関する学
習支援や見えにくさからくる様々な悩みごとについて、一人一人のニーズに応じた支援や情報提供を行っています。
大館地区のサテライト教室では、小学5年生の児童に適切なルーペの選定と使い方に慣れるための支援を行いました。担任の先生にはルーペを正しく使うための「近視弱視レンズ基礎訓練・応用訓練」のやり方を説明するとともに、教科書の文章や資料などを、積極的にルーペを使って見るよう助言しました。授業では、児童はルーペを使って教師に提示された地名を地図帳から探し出していました。ルーペを使うことで、「早く見つけられた」と見えやすさを実感し、「もっと見たい」という主体的な気持ちも高まっています。
ご相談のお問い合わせは
秋田県立視覚支援学校 ロービジョン支援センターへご連絡ください。
相談支援担当 銭谷寿・坂本由起子・佐藤友紀子・畠山尚子・落合久貴子・小松和紀
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