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図書館だより 第8号
「ヨムベカフェを実施しました!」
春に実施したアンケートで提案があった図書館カフェを、10月31日の昼休みに実施しました。事前に図書委員長の鈴木萌那さんが、素敵なポスターを作成してPRしてくれました。
当日は、たくさんの児童生徒・職員が「ヨムベカフェ」を訪れ、小学部生と専攻科生が本の話で盛り上がったり、職員も改めて図書館の本を見たりと、大盛況でした。時間が短くて少し慌ただしかったですが、また実施したいと思います。
「読書離れって本当ですか?」
文化庁が5年ごとに行っている「国語に関する世論調査」。16歳以上の6,000人を対象とした昨年度の調査結果が9月下旬に発表され、どの年代も「本(電子書籍を含む)を1か月に1冊も読まない人が6割」という言葉がニュースを賑わせました。
読書量が減っていると答えた人の割合も約7割で、新聞各社、ネットニュースでも「危機的」「深刻」「衝撃」といった言葉が並んでいます。「減っている」理由として、「スマートフォンなどの情報機器で時間が取られる」「仕事や勉強が忙しくて読む時間がない」などが上位となっています。
一方で、全国学校図書館協議会が毎年行っている「学校読書調査」によると、子どもの読書量は増加傾向にあります。昨年度の調査によると、1ヶ月に読んだ本の冊数は、小学4~6年生で12.6冊(10年前より2冊増)、中学生で5.5冊(同1冊増、1954年の調査後過去最高)、高校生で1.9冊(横ばい)となっています。ビブリオバトルや読み聞かせの影響との分析が散見されました。本校の小・中学部でも、毎週「おはなし会」が開かれています。
「燈火親しむべし」(季候も良い秋の夜長は、明かりを付けて読書するのがよい)。本校図書室にも、魅力的な本がたくさんあります。子どもも大人も、読書の秋を堪能しませんか。
おすすめの本
今月は、図書委員の「この先生に紹介してほしい!」というリクエストで、国語科の伊藤晃子先生にお願いしています。
「ほどよく忘れて生きていく」 藤井 英子著 サンマーク出版
この八月、長い時を一緒に過ごした犬が病気で逝ってしまいました。対象がなんであれ、失うということは、心にぽっかりと穴が空くことなんだな、と思いました。「時間が思いを薄くしてくれるよ…」と言われましたが、穴はなかなか埋まりません。
そんなとき、「ほどよく忘れて生きていく」という本を見かけ、題名に惹かれて読んでみました。著者は91歳、漢方心療内科医院の院長で週6勤務する現役医師です。
この本の中に「『あれをすればよかった』『これもできたかも』と悔やむ心が生まれたときは、手足を使って『動く』ことがいい気がします。考えたり、思い出に浸ったりしていると、心の空いた穴に吸い込まれてしまいそうになります。部屋を片付けたり、床を磨いたり、仕事に没頭したり…目の前にあるやるべきことは、すべて、意味があって与えられたもの、そうとらえて、少しずつ、気持ちを奮い立たせてみませんか。」とあります。
また、この方は患者さんが帰られるとき、目を見て「ご自分を大切になさってくださいね。」とお伝えするそうです。すると多くの患者さんはハッとした顔をされるのだとか。「それだけ自分を後回しにしている方も多いのかも知れません。」と書いています。
「忘れていいこと」とその反対の「大切に心に留め置きたいこと」は何なのか、全てを忘れるのではなく、自分の中に生き続けると思えるようになったら、心の穴も埋まっていくのかもしれません。 この本は次の章から成っています。
1章「人間関係」はほどよく忘れる
2章「自分をいたわる」は忘れない
3章「過去」ほどよく忘れる
4章「小さな挑戦」は忘れない
そして「おわりに」で次のように述べています。
「お料理は、甘すぎても辛すぎてもおいしくないのと同じ、人生も、自分にとってのいい塩梅、つまり『ほどよきところ』で日々を過ごすのがいい気がします。」
「心配には及びませんよ。」「大丈夫ですよ。」という著者の声が聞こえてきそうな本です。
本校図書室には、デイジー版があります。サピエからのダウンロードも可能です。
本文はここまで
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