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R6クローバー3号

  子どもの視力の発達についてのお話
 ロービジョン支援センター乳幼児支援班では、各市町村や就学前教育・保育施設等での子育て教室などで、「子どもの視力の発達」について30分程度のお話をさせていただく活動を行っています。ここでは、その内容の一部を紹介します。
 
 1 視力の発達の特徴
 視力は、出生後に目に光を受けることで発達します。生まれたばかりの赤ちゃんの視力は 0.02 程度のぼんやりとした見え方ですが、1歳半頃までは急速に、その後は緩やかに発達し、3歳頃に は 0.8~1.0 になり、8歳頃には視力の発達が終わります。つまり、視力の発達にはタイムリミットがあります。8歳までにしっかりと発達した目は、その後近視になって裸眼視力が低下したとしても、眼鏡等で矯正すれば、良好な視力を得ることができます。
 2 3 歳児健康診査における視覚検査の重要性
 幼少期は、視力が 0.2~0.3 程度あれば不自由なく活動できるため、周囲の大人は目の異常に気付くことが難しいです。そのため、3歳児健診の視覚検査はとても大切です。精密検査を勧められたらできるだけ早く眼科を受診しましょう。遠視や乱視、斜視などが原因で視力の発達が遅れている場合は、治療して正常な視力に追いつける可能性がありますが、その期間は限られています。
 3 健やかな目を育てるために気を付けたいこと
 子どもが保護者のスマートフォンを持って遊んでいることもあると思います。スマホが目や身体に与える弊害は年齢を問わずありますが、子どもは腕が短く、至近距離で画面を見ることになるので、小さな子どもほど影響が大きくなります。デジタルデバイスだけではなく、アナログな遊びも取り入れ、健やかな目の育ちをサポートしていきましょう。
 
 子どもの視力の発達についての話を聞きたい、というご要望がありましたら、お気軽にお問い合わせください。視力の発達に関心をもち、健やかな目の発達を促していただけたら嬉しく思います。 (文責:乳幼児支援班 畠山尚子) 
 
 
 弱視学級との連携 ~新設に当たっての情報提供~
 視覚障害のある子どもの学びの場の一つに、小・中学校に設置される弱視特別支援学級(弱視学級)があります。ロービジョン支援センターでは、弱視学級の設置校からの要望に応じて、次のような支援を行っています。
 
 弱視学級への 支援内容
・個別の教育支援計画及び個別の指導計画の作成
・活用支援
・見え方に応じた学習環境、生活環境を整えるための情報提供
・視覚障害教育における自立活動についての情報提供
・視覚補助具の指導方法や教材・教具についての紹介
・視覚障害教育に関する研修の協力等
 
 また、弱視学級の新設が決まった段階で、市町村教育委員会や設置予定校から依頼を受け、様々な情報提供をすることもあります。今回は、その一例を紹介します。
 
 依頼① 拡大教科書について、どの文字サイズのものを注文すればよいか、教えてほしい
対象となる児童生徒の見え方を確認する必要があるので、本人と保護者に本校に来校していただきました。本人の見え方の特徴等を確認した上で、一般の教科書や文字サイズの異なる拡大教科書を見てもらい、本文やルビを読む様子を観察して、一番学習効率がよいと考えられる教科書を助言しました。見え方や教科によっては、一般の教科書でも問題ないケースもありました。
 依頼② 弱視学級の教室に必要な物品を教えてほしい。
【設置予定校職員による本校の見学】 弱視児が実際に学校生活を送っている環境を知っていただきたいと考え、本校の見学をお勧めしました。来校いただいた際には、弱視児であっても、個々の見え方によって使用している視覚補助具(弱視レンズ等)や教室環境等が異なっている様子を見ていただきました。
【本校職員による設置予定校訪問】 より確実な情報提供をするため、本校職員が設置予定校を訪問しました。弱視学級となる予定の教室で、光の調整を可能にする設備(カーテン、電気スタンド等)の必要性を検討し、校内の動線となる廊下や階段等について、安全面で配慮が必要な場所はないか、確認しました。これらの確認は、対象となる児童生徒の見え方の特徴に基づいて行いました。
【必要物品についての情報提供】 設置予定校訪問を経て、必要と考えられる備品や視覚補助具等の資料を提供し、 設置予定校で検討、選定してもらいました。
 
 対象の児童生徒の見え方の特徴を十分に把握することで、学校生活で必要となる配慮事項等が整理され、実態に合った弱視学級が設置できると考えます。教科書や備品、視覚補助具等の選定には、ある程度の時間が必要ですので、本校からの情報提供が必要な場合は、早めのご連絡をお願いします。 本校では、弱視学級との連携により、県内の視覚障害教育の充実に努めています。弱視学級の運営等に当たって必要な情報があれば、ロービジョン支援センター宛てにいつでもお声掛けください。 <文責:教諭(兼)教育専門監 落合久貴子>
 
  お問合せは  秋田県立視覚支援学校 ロービジョン支援センターへ!
 相談支援担当 中村素子(教頭)、銭谷寿、佐藤加奈子
 〒010-1409 秋田県秋田市南ケ丘一丁目1番1号
 TEL 018-889-8571
 FAX 018-889-85
 
 

 

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