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R5クローバー5号
今年度の活動を振り返って
校長 渡部 透
今年度も、秋田県立視覚支援学校ロービジョン支援センターの活動に対し、ご理解とご協力をいただき、ありがとうございました。新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行し、社会活動の活発化とともに、学校における制限も大幅に緩和され、活発な学習活動が展開できるようになりました。これは、ロービジョン支援センターにおいても同様です。教育相談や支援、啓発といった業務を、コロナ禍での制限に捕らわれることなく実施することができました。ただし、未だに終息には至っていないので、感染症の拡大を防ぐ慎重な対応はこれからも続けていく必要があると思います。
さて、当センターでは、「教育相談部門」と「地域支援部門」を2つの大きな柱として運営しておりますが、今年度も両部門に多くの方のご利用とご協力をいただきました。「教育相談部門」は、「よつば教室」「センター教室」「あいサポート教室」での定期教育相談が主な業務ですが、その他にも、秋田市子ども未来センターの「親子のふれあい広場」で乳幼児の目の発達について話をしたり、見え方に不安のある児童生徒の学習支援・交流の場である「サマースクール」では、公益財団法人日本盲導犬協会仙台訓練センター様のご協力を得て、盲導犬の体験歩行を実施したりしました。また、「あいサポート教室合同講座」として、フラワーアレンジメント教室も開催しました。
「地域支援部門」は、見えない、見えにくいために困っている方に本校の存在や活動を知らせる広報・啓発活動を主な業務としています。このセンター報「クローバー」の発行やホームページの更新だけではなく、点字ブロック啓発活動や小学校で実施される障害理解授業への協力も行っています。今年度は4つのJR駅と竿燈まつりや千秋花火など、7つのイベントで点字ブロック啓発のアナウンスをすることができましたし、6校の小学校で計8回の障害理解授業に協力することができました。「秋田駅でアナウンスを聞いた」、「竿燈まつりでたくさんの人がアナウンスを聞いていた」と教えていただくことがあり、うれしさを感じつつも、改めて啓発活動充実に向けた取組を大事にしていきたいと思います。
今後も、本校職員と関係機関の皆様との連携を密にし、見えない・見えにくいために困っている方やその関係者の皆様への相談支援に取り組んで参ります。引き続きのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
あいサポート教室合同講座「フラワーアレンジメント体験」から
昨年12月に、余暇活動の一環として合同講座「フラワーアレンジメント体験」を開催しました。あいサポート教室の受講生を対象にした講座でしたが、本校卒業生、生活情報科の在校生の5名が参加し、お正月用のフラワーアレンジメントを制作しました。
講師の手ほどきを受けながら、お椀を花器にして飾りました。はさみの刃先がスプレー菊の根元に当たっていることを確認し、丁寧に切り分けました。飾った花の位置やバランスを職員が伝えることで、アレンジメント全体をイメージしながら、熱心に飾り付けました。お正月らしい小物を添えて40分ほどで完成しました。「玄関に飾りたい」「年賀状に載せるつもり」等、感想を笑顔で話し、参加者同士が言葉を交わす楽しい時間になりました。
(文責:秋本久美子)
「音読をしよう」~小学部国語科の授業実践より~
【題材】アーノルド・ローベル作『なくした ボタン』(『ふたりはともだち』より)
【教材の工夫】
・個々の見え方や読字効率に配慮した音読用のテキストの作成
(個々の拡大教科書を参考に)
(文字サイズ:28P、字体:UDデジタル教科書体)
・既習題材に関連した題材の選定 (小2教科書題材「お手紙」のシリーズの中から)
(以下、『なくした ボタン』の一部分)
「ぼく 足にけがをしただけじゃ ないんだ。うわぎの ボタンを 一つ なくしちゃった。」
「しんぱい ごむよう」
かえるくんがいいました。
「ぼくたちの とおってきた ところを のこらず もどって あるいてみよう。じきに 見つかるよ。」
ふたりは 大きな くさはらへ もどりました。
ふたりは せの たかい くさの あいだを ボタンが ないか
(『なくしたボタン』の一部分 終わり)
【文章理解、読み方等の事前確認、練習】
・文章構成や言葉の意味、読み方理解
・声の「高さ」「速さ」「大きさ(5段階の自己評価)」の確認
・音読箇所、役割が分かるような短冊での意識付け
・録音した自分の読み声を聞く自己評価(振り返り)の場の設定
・朗読の専門家からの指導やアドバイスを受ける機会の設定
「意識して音読する」ことができるように、はじめは文章構成、意味理解をしました。そして、「読み手」としての音読のポイントについて具体的な声の出し方を「聞き手」側(教師)と確認して練習を進めました。
【発表の機会の設定】
・保護者や友達への発表と他者評価の場の設定
友達やお家の方の前で読むのは緊張したようで早口になってしまったと振り返っていました。単語などは類推読みをしながら、音のまとまりを意識して、なめらかに読むことができました。
本文はここまで
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