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R4クローバー5号
今年度の活動を振り返って 校長 髙橋 斉
今年度も、本校ロービジョン支援センターの相談・支援活動をご利用いただき、誠にありがとうございます。今年度も新型コロナウイルス感染症拡大に翻弄された1年でした。しかし、過去2年間で培った基本的な感染症対策の継続により、皆様のご要望に応じた相談支援等の業務をほぼ予定どおり実施することができました。また、本校が事務局となっている「スマートサイト推進委員会」を3年ぶりに参集型で開催しました。
さて、ロービジョン支援センターでは、定期教育相談のための「よつば教室」「センター教室」「サテライト教室」「あいサポート教室」等を多くの皆様に利用していただきました。特に、サテライト教室は中央地区:センター教室、県北地区:桂城小学校、鷹巣小学校、上川沿公民館、県南地区:岩城小学校、横手市交流センターY2プラザ等県内6か所で展開し、定期的に特別支援学級の担当教員や保護者・ご家族への支援、一般の方々への相談・生活支援、情報提供等を行うことができました。
本校では、ロービジョン支援センターを中心に様々な広報活動にも取り組みました。本校の教育活動を積極的に発信することで、県民の皆様に理解していただくこと、見えない・見えにくいために困っている皆様が本校の存在や活動を知り、相談に来ていただくことが大切です。新規作成したロービジョン支援センターのPRポスターを、眼科病院や薬局、眼鏡店等に配付し掲示を依頼しました。加えて、HPに「チューモくん日記」を開設し、こまめに更新することで閲覧リピーターの獲得に努めました。
また、今年度もJR東日本秋田支社様のご協力により、県内4駅(秋田・大館・由利本荘・大曲)において、本校の児童生徒が収録した点字ブロック理解・啓発のアナウンスを放送[年3回、各1週間程度、通勤・通学時間帯]していただきました。新規に竿燈祭りや千秋花火、広小路バザールなどの観光イベント等でも放送していただきました。
さらに、エフエム秋田の番組(LUNCH TIME STEPS)に本校の理療科職員が出演し。視覚障害者の障害認識や障害受容などについて語り、広く発信することができました。
加えて、小学校7校から障害理解授業の依頼があり、各校の要望等を積極的に取り入れた活動を提案・提供できました。当日の授業はもちろん、事前打合せや事後学習にも依頼校の先生方が積極的に関わってくださり、障害理授業の質が向上してきました。
今後も、本校職員のチームワークと関係機関の皆様とのネットワークを大切にしながら、見えない・見えにくいために困っている皆様への相談支援に取り組んでまいります。引き続き、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
乳幼児支援班
1 よつば教室
乳幼児支援班では、就学前の乳幼児とその保護者に、随時相談や定期相談(よつば教室)を行っています。定期教育相談は、対象幼児の見え方や課題に応じて週や月ごとに回数を設定し、通年で行っています。
2 ちびっこサマースクール
同年代の子ども同士で遊んだり、保護者が学んだりする機会として毎年開催しています。今年度は5歳児1名の参加で、水遊びを行いました。
「みず ちゃぽん」の絵本の読み聞かせを聞いてから教師と一緒にビニールプールに入り、少しずつ水に触れながら遊び、後半には笑顔が見られました。宮城教育大学名誉教授の猪平眞理氏を講師に迎え、幼児の活動の様子をじっくりと見ていただき、見えにくさのある幼児へのサポートについて多くのご助言をいただきました。
3 その他
昨年度に引き続き、各市町村乳幼児検診担当者、秋田県保育協議会の各地区会長へ視覚支援に関する説明をする機会がありました。(文責:畠山 尚子)
児童生徒支援班
8月6日(土曜日)に本校を会場に「第17回 サマースクール」を開催し、県内各地から視覚支援を必要とする児童生徒や保護者、関係者が集まり、体験活動や保護者学習会を通して交流し合いました。
児童生徒の体験活動は、五感を使ったり、よく見て操作したりする活動を取り入れた「わくわく実験活動」と「創作活動」を行いました。「わくわく実験活動」のグループは、片栗粉を使ったスライム作りを通して、片栗粉の不思議を体験したり、それを使ってゲームを楽しんだりしました。児童からは、「作るときに工夫したところは、混ぜる速さと色合いを考えたことです」と感想が挙げられ、友だちと一緒に活動を楽しみました。「創作活動」のグループは、『WAロック』作りをし、さまざまな形の石に好きな色を塗ったり、絵を描いたりして、石の裏には、「WAROCK JAPAN in.AKITA」と「f」のマークを書き込んで完成させました。完成したオリジナルのWAロックをその場で交換し合う姿を見ることができました。
保護者学習会では、「一人一人が目指す姿や余暇を生かした生活に向けて」と題し、小・中学生で大切にしたいことを本校卒業生や本校職員の話題を聞いたり、保護者同士で話題を出し合ったりしました。保護者アンケートからも様々なことを考え、今後につなげていこうとする思いを感じ取ることができました。
参加した児童生徒、保護者同士が交流し合う貴重な機会となりました。(文責:落合久貴子)
研修支援班
視覚障害児・者への関わり方、支援の仕方について理解を深めたいと要請を受け、今年度は小学校7校で障害理解授業を実施しました。各校のニーズに合わせ、視覚障害に対する基本的な知識を、具体的な場面を想定した活動や点字や歩行の疑似体験などから学びました。
授業を受けた児童の中には「私にも手助けできることがあるとわかった」「今度困っている人を見かけたら声をかけようと思う」「見えなくても色々工夫して過ごしていてすごいと思った」など頼もしい発言やうれしい感想が聞かれました。視覚障害に対して正しい知識を得ることで深い理解につながっていくことを実感するとともに、このような機会がさらに広がることを期待しています。(文責:奥山 留美子)
あいサポート教室・合同講座 ~フラワーアレンジメント~
昨年の11月29日、本校を会場に合同講座を開催しました。あいサポート教室の受講生、本校の卒業生や在校生の6名が参加し、クリスマス用のフラワーアレンジメントを作りました。講師の手ほどきを受けながら、中央にキャンドルを置いて、ヒバの葉を円形に飾り、バラやリボンでアクセントをつけて完成です。1時間ほどの活動でしたが、皆さん、熱心に飾り付けをしていました。完成品はそれぞれが違っていて個性あふれる作品となりました。感想発表では、「すぐ、家に飾りたい」、「来年は正月用のアレンジメントを作りたい」など笑顔で話していました。参加者同士の交流が図られるとともに、来年の講座への期待を膨らませるなど、充実した時間となりました。(文責 吉澤真由美)
令和4年度 秋田県バリアフリー推進賞受賞 ~点字ブロック啓発活動~
視覚障害者が抱える困難の一つに移動があります。本校では、視覚障害者が安心安全に街を移動できるよう、点字ブロックの啓発として、駅構内やイベント会場でアナウンス活動を続けてきました。児童生徒のアナウンスは、児童生徒が、日頃から感じていることや願いをこめて原稿を考え録音しました。放送を聞いた方が気にかけてくれていることを知り嬉しかったと児童生徒自身が成果を実感し、もっと頑張りたいという意欲につながりました。また、保護者も「コロナ禍でもできる啓発活動」として、ポスターを作成し、県内の15の駅、33の公共・商業施設に掲示していただきました。
児童生徒にかけてもらった一般の方々の声
『段差がありますよ』
『混んでいるので、座ってください』
『この点字ブロック(啓発)の声、可愛いよね』
関係者の協力を得ながら、この活動が少しずつ広がってきていることに感謝しています。(文責 総務部)
【点字ブロックの役割】
点字ブロックは、視覚に障害のある人の道しるべとなる大切なものであることを広く知っていただくために、県内の障害理解授業でもチラシを配付しています。
誘導ブロック:細長い突起のブロック。道路や屋内の通路上に敷設されてます。
警告ブロック:丸い突起を並べたブロック。道の分岐点や駅のホームの縁などに敷設されてます。
『スマートサイト』をご活用ください
スマートサイトは、見えにくい方の相談・支援先をご紹介するリーフレットです。(発行:秋田県スマートサイト推進委員会/事務局:秋田県立視覚支援学校/後援:秋田県眼科医会/協賛:秋田山王ライオンズクラブ)
見えにくくてお困りの方の支援先は、様々あります。『スマートサイト』は、各眼科、医療機関より紹介、配付されますが、お手元にない場合または支援先の情報が必要な方は、ロービジョン支援センター(スマートサイト事務局)までご連絡ください。本校ホームページにも掲載しています。どうぞご活用ください。
ご相談のお問い合わせは
秋田県立視覚支援学校 ロービジョン支援センターへご連絡ください。
相談支援担当 銭谷寿・坂本由起子・佐藤友紀子・畠山尚子・落合久貴子・小松和紀
本文はここまで
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