サイトの現在地

前のページへ戻る


ここから本文です

クローバー4号(11月8日)

視覚障害者とスマートフォン
 見えない、見えにくい方は、通勤や日常生活の中でスマートフォンを活用しています。本校職員が普段よく使っているアプリについて聞いてみました。
 ~理療科職員A さんに聞きました~(全盲)
Q:スマートフォン使用歴と現在使っているスマートフォンの機種名、使用年数を教えてください。
A:スマートフォン歴は4 年です。iPhone 6 を2 年くらい使っています。
Q:よく使っているアプリを教えてください。
A:GPS アプリの「BlindSquare」を使っています。行きたい場所のルートを音声で案内してくれます。現在地の交差点や周囲の施設も音声で教えてくれるのでとても便利です。周囲の状況が分かるので安全に移動できます。

 ~理療科職員C さんに聞きました~(弱視)
Q:スマートフォン使用歴と現在使っているスマートフォンの機種名、使用年数を教えてください。
A:スマートフォン歴は7年です。iPhone 8 Plus を2 年くらい使っています。
Q:よく使っているアプリを教えてください。
A:乗換案内アプリ「乗換ナビタイム」を使っています。出発駅から到着駅までの到着時刻や運賃、乗換ホームを事前に調べることができます。「早い」「安い」「乗換に楽」な経路をアイコンでわかりやすく表示してくれるので助かります。

 ~理療科職員B さんに聞きました~(弱視)
Q:スマートフォン使用歴と現在使っているスマートフォンの機種名、使用年数を教えてください。
A:スマートフォン歴は6年です。iPhone X を2年くらい使っています。
Q:よく使っているアプリを教えてください。
A:スマホ決済アプリ「PayPay」を使っています。飲食店のレジでお金を探す手間がなく、キャッシュレスでストレスなく支払いができます。使った金額の10%が還元されるのも魅力です。

 スマートフォンのアプリの開発は日進月歩で、これからも便利なアプリが次々と紹介されると思います。上手に取り入れながら、毎日を快適にしたいものですね。(文責:下地利秀)

 

桜井記念 視覚障がい者のための手で見る博物館
 以前、職員研修で訪れた際に、創設者である桜井さんから触る博物館について丁寧に説明していただきました。当時を思い出しながら紹介します。
 同館は1981(昭和56)年、当時岩手県立盲学校の教諭だった故・桜井政太郎さん(全盲)が自宅を改築して創設したものです。「視覚障がい者の知識を広げたい」という思いで桜井さんが収集・製作した標本や模型など約3000 点の資料は、全て触れることができます。
 博物館のモットーは「百聞は一触に如(し)かず」。桜井さんは、「耳で説明を受けても、目で見えなければ想像するしかない。視覚障がいをもつ人にとって、触れて観察する触察は自分の想像が正しいかどうか確かめるための大事な手段。触ることで得る情報は多い」と熱く語ってくれました。
 収蔵されている資料は、動物のはく製や世界遺産等の建物模型、太陽系の惑星モデル、民族楽器、生活道具などさまざまで、宇宙・文化・生命に分けて紹介していました。ニューヨークにある自由の女神に上ったことがあるという男性(全盲)が来館した際に自由の女神の模型に触り、「初めて自分が上ったものの形が分かった」というエピソードがあったそうです。また、身近で鳴いているカラスやスズメのはく製に触れた子どもたち(全盲)が大きさの違いに驚くこともあったと話してくれました。視力のある私は遠くからしか見たことのない飛行機の車輪に触れ、この車輪であの大きな機体を支えているんだなと感動しました。
 桜井さんの思いが詰まった博物館では、沢山の驚きや発見があると思います。興味をもたれた方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。(文責:目黒司)


※ 見学は完全予約制で、視覚障がい者とその家族や支援者、教育・福祉関係者が対象。入場無料。
「桜井記念 視覚障がい者のための手で見る博物館」開館時間は9 時~17 時
 住 所 〒020-0817 岩手県盛岡市東中野字五輪7-1
 TEL 019-624-1133 FAX 019-624-1133

 

就学、入学に向けての準備について
 今回は、見えにくさのある子どもたちには、どのような学びの場があるのかその特徴と準備について御紹介したいと思います。
〈見えにくさのある子どもたちの就学先〉
①小・中学校の通常学級:集団の中で教科等の学習をします。担任の先生に相談し、見え方に応じた配慮を受けたり、見えやすい教材などを使ったりしながら学習をします。
②小・中学校の弱視特別支援学級:個別で、児童生徒の見え方に応じた学習を行います。教科や授業内容によっては、通常学級の児童生徒と一緒に学習することもあります。
③視覚支援学校:幼稚部から高等部までの幼児児童生徒が、個々の見え方に応じた学習をします。
※ 上記のどの学びの場であっても、見えにくさに関する相談は、本校のロービジョン支援センターの「児童生徒支援班」で承ることができます。
 

☆乳幼児期から就学までの相談先について
 見えにくさに関する心配や相談がある場合は、本校のロービジョン支援センターの「乳幼児支援班」へ御連絡ください。乳幼児期の視覚は「しっかりと見ること」で発達します。早めの相談が、その後のよりよい就学の準備につながっていきます。
【乳幼児支援班が行っている主な支援内容】
・生活や遊びの場面における見え方チェック
・見えにくさに配慮した遊びの紹介
・見えにくさに配慮した子育てや生活へのアドバイス
・就学や将来のことに対する情報提供
☆就学、入学に向けた準備で大事にしたいこと
 学びの場を考えていく際には、学校見学、教育相談、体験学習をお勧めしています。実際に見て体験することで、入学してからの学習の様子を具体的にイメージすることができます。就学に向けた準備の手続きについても、情報提供できますので、お気軽に御相談ください。
◎ 成人の方の教育相談についても、随時承っております。教育相談、見学、体験をご希望の方は、ロービジョン支援センターへ御連絡ください。(文責:藤井優香)

 

触って確認できる乗車券購入の方法
 視覚に障害があっても、一人で券売機で乗車券を購入することができることを、皆さんはご存じでしょうか。
 駅で乗車券を購入するときは、みどりの窓口の他に自動券売機を利用する方法があります。普通の自動券売機は、タッチパネル式が主流で視覚に障害のある方にとっては操作が難しいです。なぜなら、画面が平坦で手掛かりがまったく無く、誤操作が多くなってしまうからです。しかし、『テンキー(数字ボタン)』のある券売機であれば、購入は比較的容易になります。
 JR秋田駅の3箇所の改札口には、それぞれ1台ずつテンキー付きの券売機が設置されていましたが、最近全ての自動券売機がテンキー付きのものに変わりました。利用されたことがない方のために、 スムーズに操作をするためのポイントを御紹介します。
 ① あらかじめテンキーの配列、紙幣・コイン・カードの投入口、更に切符の取り出し口やお釣りの返却口の位置関係をチェックしておき、行先までの料金を確認した上で、操作を開始する。
 ② 『ゼロキー』の左の『アスタリスクキー(*)』を押す。音声ガイダンスが流れる。
 ③ ガイダンスに従って操作する。
 ④ 『ゼロキー』の右の『シャープキー(♯)』を押して最終確認をし、紙幣等を投入する。
※ 紙幣等の投入が遅くなると、繰り返し「紙幣またはカードを投入して下さい」とアナウンスされるので、慌てないように事前に用意しておきます。なお、この券売機で使用できるカードとはプリペイドタイプの『オレンジカード』のことです。
 援助依頼は大事なコミュニケーション手段であり、よりよい自立・社会参加のためには欠かせないものです。しかし、援助に頼ることなく自分でできることが増えることで自信になり、日常生活の向上につながると思います。お出かけの際に、自動券売機を御利用してみるのはいかがでしょうか。(文責:佐々木道吉)

 

御相談のお問い合わせは
 秋田県立視覚支援学校 ロービジョン支援センターへ御連絡ください。
 相談支援担当 長崎雪子・渡部麗子・銭谷寿・佐藤友紀子

本文はここまで

このページの先頭へ戻る