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クローバー1号(4月26日)

「新元号を迎えて」ロービジョン支援センター長 長崎雪子
 新しい元号が「令和」に決定し、「平成」もあとわずかとなりました。平成24年に発足した「ロービジョン支援センター」ですが、新元号と共に今年度も新たな気持ちでスタートしたいと思っております。
 第1号のセンター報クローバーでは、ロービジョン支援センターついて紹介させていただきます。相談支援部門は、相談者の年代に応じて「乳幼児支援班」「児童生徒支援班」「生活情報支援班」の各班が対応します。乳幼児対象の「ちびっこサマースクール」や児童生徒対象の「サマースクール」、成人の方対象の「あいサポート合同講座」のような定例の行事はもちろんですが、年間をとおしての相談支援にも力を入れていきたいと考えております。そのためにも、専門性の向上を目指した職員研修を大事にしていきます。
 地域支援部門はその名称のとおり、地域支援に関わることを「広報班」「研修支援班」の各班で行います。地域へ視覚障害についての情報を発信するため、今号からお届けするセンター報「クローバー」やHPの内容も充実させていきます。福祉授業や講習会、研修会等の理解啓発に向けての取組では、担当者の方との密な事前打ち合わせにより、効果的な実践となるよう心掛けていきます。新たな取り組みと言うよりも、今まで続けてきたことを見直し、丁寧に取り組んでいくことで、センター的機能の充実につなげていきたいと思います。
 これからも、見えない、見えにくい方やその御家族の気持ちに寄り添い、そして関係機関の皆様との連携を大事に地域支援活動に取り組んで参ります。
 最後になりますが、県眼科医師会と県ORT会、山王ライオンズクラブや県視障協、県点字図書館など、関係する皆様とも一層の連携と協力を図って参りますのでよろしくお願いいたします。

 

ロービジョン支援センター~各班の取り組み~
【教育相談部門】
<乳幼児支援班>
 乳幼児支援班では、0歳から就学前までのお子さんと保護者の方、関係機関の方を対象に、子育てや保育、発達に関する相談・支援を行っています。
 「よつば教室」(定期教育相談)では、一人一人の発達段階に応じた遊びの中で、「見る」「確かめる」楽しさや、保有視覚・感覚を十分に活用する体験を大切にしています。個々のニーズや課題に基づいて支援内容や回数を決め、相談・支援にあたります。
 保護者の方に対しては、育児相談や保護者学習会を企画し、お子さんの生活の充実と進路について一緒に考えていきます。幼稚園・保育園等に対しては、お子さんのより良い環境づくりや進路選択について、関係機関と連携しながら支援にあたります。
 今年度は8月7日(水)に「ちびっこサマースクール」を実施し、お子さんには様々な感覚を使う楽しさを味わう活動を、保護者・関係機関の方々には、個別面談や学習会の場を提供する予定です。
<児童生徒支援班>
 県内の小・中学校等に在籍する児童生徒の皆さんや保護者の方、担任の先生を対象として、視覚補助具の使い方や目と手の協応動作、主体的に情報を入手するための方法など、視覚に関する様々な情報提供を行っています。
 「センター教室」では県央地区を、「サテライト教室」では、県北、県南、由利本荘地区での指導や支援を行います。今年度は、8月3日(土)に「サマースクール」を行う予定です。児童生徒の皆さんが互いに交流しながら、五感を使ったり視覚補助具を活用したりできるような活動を計画しています。また、保護者や関係者の方々を対象とした学習会も行う予定です。
<生活情報支援班>
 視覚に障害のある成人の方に対する相談・支援活動を行っています。
 視覚支援や情報提供を行う「あいサポート教室」では、火曜日と木曜日を開講日とし、「音声パソコンなどの情報機器の操作」、「白杖や手引きによる歩行訓練」、「便利グッズや電子レンジを使った調理」について学ぶことができます。また、受講生や卒業生が交流する機会として、あいサポート教室合同講座を年2回実施しています。昨年度は、フラワーアレンジメント体験と調理活動を行いました。
【地域支援部門】
<研修支援班>
 研修支援班は、視覚障害児者を支援する方々に対し、研修会等を実施し、視覚障害の理解啓発や支援を行っています。昨年度は、次のような研修会等を実施しました。
 ☆「視覚支援担当者研修会」…地域に在籍する子どもたちの指導に関わる教師や保護者を対象に、見え方や学習環境などについて共通理解や情報交換を行いました。
 ☆「白杖歩行・生活サポート講習会」…山王ライオンズクラブの方々と協力し、地域の視覚障害の方とそのご家族などを対象に、日常生活の様々な場面におけるスキルアップを目指し、電子レンジを活用した調理の方法や、手引きの仕方、白杖歩行体験を中心とした講習会を、社会福祉会館を会場に実施しました。
 ☆「サマースクールの保護者学習会」ひもの結び方の説明や写真の説明の仕方をテーマにワークショップを行いました。
 ☆「福祉授業」小学四年生を対象に、視覚障害疑似体験、点字体験などを通して、視覚障害について理解啓発を行いました。
 ☆「ボランティア講座」視覚障害者の見え方の違いについての講義や点字等の体験を通して、視覚障害の方々を支援するボランティア養成につなげています。
 今年度の取り組みとして、現時点では5月28日(火)に視覚支援担当者研修会、6月7日(金)秋大授業協力、6月8日(土)に白杖歩行・生活サポート講習会、8月にはボランティア講座、サマースクールの保護者学習会が予定されています。こうした活動を関係機関や各班と連携・協力しながら、広く啓発を進め、支援に努めていきたいと考えています。
<広報班>
 ロービジョン支援センター報「クローバー」(本紙)の発行と本校ロービジョン支援センターのホームページ上での情報発信を行っています。見えにくさにお困りの方やそれを支える方々の参考になる情報を届けていけるよう発信していきますので、どうぞご活用ください。

 

見えづらさ知って!『見えづらい・見えにくい人のくらし』
 日本盲人会連合(日盲連)が「弱視に関する懇談会」の報告書をまとめたもので、弱視者が直面している困りごととその解決方法などが掲載されています。日盲連のHPで公開されていますので、ぜひ閲覧してみてください。
 http://nichimou.org/all/news/secretariat-news/190122-jimu/
 ※ 「弱視に関する懇談会」でも検索できます。

 

書籍紹介
『ヤンキー君と白杖ガール』 うおやま著、KADOKAWA、702円
 盲(視覚支援)学校高等部通う弱視の女子高生と街を牛耳るヤンキーの青年が主人公のラブコメディー。マンガなので、短時間で気軽に読めますが、視覚障害者やその家族の心理とともに、弱視の人と接するときに気をつけるとよいポイントや本当のバリアフリーとは何かといったことがさりげなく描かれています。初めて教育を含む視覚障害支援に関わる人にも、おすすめの一冊です。
『手で見るいのちある不思議な授業の力』 柳楽未来著、岩波書店、1,620円
 筑波大学付属視覚特別支援学校の理科の授業を取材し、毎日新聞デジタル版に連載された記事を書籍化した本です。同校で40年以上続けられている、半年間、ひたすら動物の骨を触る理科の授業の様子と、それを行ってきた3人の教員への取材、さらに、京都府立盲学校(日本で最初に設立された視覚支援の学校)の資料室担当・岸博実先生に取材した盲教育の歴史のコラムなどで構成されています。
 視覚障害教育における「さわる」ことの大切さが分かるとともに、学ぶとはどういうことなのかを考えさせられる一冊です。

 

御相談のお問い合わせは
秋田県立視覚支援学校ロービジョン支援センターへ御連絡ください。
相談支援担当 長崎雪子・渡部麗子・銭谷寿・佐藤友紀子

本文はここまで

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