サイトの現在地

前のページへ戻る


ここから本文です

図書だより4号(9月21日)

     図書だより No.4 平成30年9月21日
          秋田県立視覚支援学校 図書委員会発行
                                 
 2学期がスタートして3週間余り。朝夕の涼しさや、吹く風のさわやかさに秋を感じる頃となりました。日没も6・7月に比べると1時間半も早くなり、夜ゆっくりした時間がもてるようになりました。さて、秋の夜長に何をする? 
 今月は、本校の鈴木校長先生に次の文章をお寄せいただきました!
 
     「詩の本のすすめ」   校長 鈴木 修一        
 高校の教科書に登場した詩や俳句に接し、いつか自分でも人に感動を与える作品を書きたいと思ったことが、今につながっていると感じます。「コスモスを離れし蝶(ちょう)に谿(たに)深し 水原(みずはら)秋桜子(しゅうおうし)」など、記憶に鮮明です。
学校図書館で名著を見つけました。
① 詩の世界』高田敏子(ポプラ・ブックス)
 表紙の写真は昭和そのものですが、掲載の詩は全て時代を超える名詩ぞろいです。「道に捨(す)てられた子ネコも/抱(だ)きあげてなでてしまうと/そのまま道におくことはできなくなる/なめらかな あたたかな/いのちの手触(ざわ)り/小さな鼓動(こどう)までが/伝わってきて(子ネコ)」この自作詩の評を、高田さんは「さびしさに負けないで、さびしさを生かす人になりましょう。」と結んでいます。中学・高等部の皆さんにおすすめの内容です。
②『少年少女のための日本名詩選集・14 八木(やぎ)重吉(じゅうきち)』(あすなろ書房)
 金子みすずの人気が高まる前、注目度の高かった詩人です。作品と鑑賞文を見開きに収め、とても読みやすい本で、先生方に特におすすめ、小学部の皆さんも自力で読めると思います。「秋になると/果物(くだもの)は何もかも忘れてしまって/うっとりと実ってゆくらしい(果物)」「何もかも忘れてしまって」と書く詩人のひたむきでくもりのない心・・・・・。
 だれもが心の目を開く秋という季節、詩を読み、詩から
もらった感動を自分にひびかせて、詩を書いてみませんか。
  
       図書委員によるおすすめの本コーナー          
 今月は、専攻科理療科3年の H・T さんです!

「銀河鉄道の夜」     
     宮澤(みやざわ)賢治(けんじ) 著(角川つばさ文庫)

 主人公のジョバンニは、アルバイトをしながら病弱の母と二人暮らしをする少年です。
 ケンタウル祭の夜に、丘の上の天気輪(りん)の柱の下に横になり夜空を眺めていた時に、不思議な声と明るい光に包まれ、気が付いた時には、幼馴染(おさななじみ)のカムパネルラとともに、夜空に浮かぶ銀河鉄道に乗車していた・・・。
 旅の途中、大学士や鳥を捕(と)る人などに出会う冒険のお話です。
 著者 宮澤賢治は岩手県出身の童話作家です。大人でも楽しめる童話として、表題の「銀河鉄道の夜」の他に、「詩 雨ニモマケズ」「グスコーブドリの伝記」「ふたごの星」「よだかの星」が1冊の本に収録されています。
秋の夜長に星空を思い浮かべながら、賢治ワールドの旅をしてみてはいかがですか・・・。

【宮澤賢治】1896年(明治29年)~1933年(昭和8年)。詩人、童話作家。岩手県立花巻農学校で教師をしながら、仏教信仰と農民生活に根ざした創作を行った。
【注】「天気輪の柱」・・・賢治の造語。何を指すか、定説はないようです。

★図書室に、拡大図書「風の又三郎」「注文の多い料理店」があります。点字版では、「セロひきのゴーシュ」があります。ご利用ください。

    

【図書室に入った“寄贈本”の紹介】 ※カッコ内は寄贈してくださった方 
◆点字「ゆったり点字版 一行怪談(かいだん)」吉田悠軌 著(以下3点は、日本ライトハウスより)
   「ゆったり点字版 人生に役立つ都々逸(どどいつ)読本 七・七・七・五の法則」柳家紫文 著
   「ゆびでたどるめいろ オットット編」 畑中優二 編
◆点字・活字「視覚障がい児・者 競技用百人一首かるたセット(全日本かるた協会より)
◆点字「ヒットソング 30」(藤枝光文庫より)
◎活字「大国主と国譲り 倭の国から日本へ3」阿上万寿子 著(山口県盲人福祉協会より)
◎活字「幸せの入り口屋 いらっしゃいませ」西亀 真 著(著者より) 
(※盲目のセラピスト:西亀さん〈61歳〉は、47都道府県を一人旅、さらに、ニューヨークへの旅も実現させました。自身の体験をふまえ、カウンセリングや講演活動を行っています。)
 

本文はここまで

このページの先頭へ戻る