図書だより No.8 平成30年1月19日
秋田県立視覚支援学校 図書委員会発行
戌年、今年もよろしくお願いいたします。
2018年、戌(いぬ)年がスタートしました。新年が明けて、2週間余りが過ぎましたが、もう皆さんは、初読書「読み初(ぞ)め」は、しましたか?
今年も、図書委員一同、皆様の読書欲(?)を刺激していけるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、今年初めての図書だよりですが、「ポケット詩集Ⅱ」(田中和雄編)より、 詩人 大木 実(おおき みのる)さんの詩を紹介します。(図書室にありますので、よかったらごらんください。) 皆様にとって、今年もよい年になりますように!
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大木 実
少年の日読んだ「家なき子」の物語の結びは、
こういう言葉で終わっている。
前へ。
僕(ぼく)はこの言葉が好きだ。
物語は終わっても、僕らの人生は終わらない。
僕らの人生の不幸は終わりがない。
希望を失わず、つねに前へ進んでいく、
物語のなかの少年ルミよ。
僕はあの健気(けなげ)なルミが好きだ。
辛(つら)いこと、厭(いや)なこと、哀(かな)しいことに、
出会うたび、
僕は弱い自分を励(はげ)ます。
前へ。
【大木 実(おおき・みのる)】詩人、東京生まれ。1913年~1996年。
【家なき子】フランスの作家、エクトール・アンリ・マロが、1878年に発表した児童文学作品。孤児と知らず育った少年ルミが旅芸人のおじいさんといろいろなところを旅し、たくさんの出会いを通して成長していく冒険小説。
※図書室にありますので、ご利用ください!
図書ボランティアさんによる
おすすめの本コーナー(1)
◇Nさんより おすすめ!
「バッタを倒しにアフリカへ」
前野ウルド浩太郎 著、 光文社新書
秋田県出身のバッタ博士が、アフリカのバッタ被害を食い止めるため、モーリタニアで奮闘する話です。
とてもおもしろく、夢に向かって進む著者に、声援を送りたくなる一冊です。
【補足】「前野ウルド浩太郎」1980年秋田市生まれ、現在37歳。秋田中央高校卒業後、弘前大、茨城大、神戸大で学ぶ。国立研究開発法人国際農林水産業研究センター研究員。◇バッタが大好きな著者が、昆虫学者としての研究費を得るため、バッタの大発生で深刻な飢饉(ききん)に陥(おちい)っている砂漠の国・西アフリカのモーリタニアへ行くことに。様々な人々との出会いを大切にチャレンジ精神で道を開いていく姿が描かれている。この本は昨年、毎日新聞社「毎日出版文化賞」の特別賞を受賞した。
◎図書室のおすすめコーナーにありますので、どうぞ手にとってご覧ください!
◇来年のお題は「光」、あなたも応募してみませんか?
1月12日、皇居・宮殿では、新年恒例(こうれい)の「歌会始(はじめ)の儀(ぎ)」が行われ、皇族方や入選者などの歌(短歌)が詠(よ)み上げられました。今年のお題は、「語」でした。
その中に、2人の中学高校生の作品があったので、紹介します。(新聞より)
◇新潟県 南雲 翔さん(17歳)
通学の越後線でも二ヶ国語 車内放送流れる鉄橋
◇長崎県 中島 由(ゆ)優樹(うき)さん(12歳)※最年少の入選だそうです。
文法の尊敬(そんけい)丁寧(ていねい)謙譲語(けんじょうご) 僕にはみんな同じに見える
◎来年のお題は「光」。「光」の文字が詠み込まれていれば、「光線」などの熟語でもよいそうです。点字の応募可。締め切りは9月30日、応募先は宮内庁です。