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図書だより2号(6月16日)

         図書だより No.2 平成29年6月16日
         秋田県立視覚支援学校 図書委員会発行

   雨の降る日には、何をする?        
 梅雨入りするのかしないのか、はっきりしない空模様の今日この頃・・・。
 気象庁によると、東北北部の梅雨入りは、例年6月14日頃、梅雨明けは、7月28日頃とのことです。丸々1か月と10日余りの長い梅雨です。
 この時期は、出かけるのもおっくうになりますが、家でしとしと降る雨音に耳を傾けながらじっくり読書をするのもいいですね!
 

  雨が降る日には
          まど みちお

 雨がふる日には
 雨がふっているものですから
 雨と傘のおしゃべりを
 頭の上にかかげて歩きます

 頭の上からなのに
 宇宙のはてからのような
 ありふれているのに
 奇妙きてれつなような
 「いまだに」なのに
 「いまはじめて」のような
 そのおしゃべりを
 聞くのでもないのに
 聞かないのでもないかのようにして

 雨がふる日には
 雨がふっているものですから
 宇宙のこのへんでは
 時間のこのへんでは

       
「風景詩集」より
 
    
【まど みちお】詩人。1909年(明治42年)生まれ、2014年(平成26年)、
104歳で亡くなる。「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」「一年生になったら」などユーモラスな作品は、童謡としても親しまれている。
 
【寄贈図書(CD)の紹介】※伊藤忠記念財団よりいただきました!
わいわい文庫~マルチメディアDAISY図書2017(CD4枚組)
 「マルチメディアデイジー」とは、様々な原因で、印刷物を読むことが困難な人のために開発された電子書籍のひとつです。画面上の文章を音声で読み上げてくれ、絵や写真を見ながら聞くことができます。文字の大きさ、読むスピード、文字や背景の色を選ぶこともできます。
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★  わいわい文庫 2017に入っている作品 ★
 「あいうえおのほん」「ノンタンおはよう」「一休さん」「注文の多い料理店」「精霊の守り人」「親子でわかる!日本の大問題」「小倉百人一首」「日本昔話旅のシリーズ」など60作品以上入っています。ぜひ、一度聞いてみてください!
 
  図書委員による今月のおすすめの本   

 専理3年の N・Tさんからのおすすめの本です!
「そして誰(だれ)もいなくなった」 アガサ・クリスティー
                            ハヤカワ文庫
 今年の3月にドラマが放送されることを知り、昔読んだことを思い出しました。孤島(ことう)に集まった面識(めんしき)の無い10人。過去に罪(つみ)を犯(おか)したらしい彼らが古い童謡(どうよう)の歌詞に合わせた殺され方をしていきます。最初は本当に全員いなくなるのか半信(はんしん)半(はん)疑(ぎ)で読んでいました。そのうち誰かが犯人(はんにん)に気づくだろうと思っていたのですが、人が減(へ)るばかりで謎(なぞ)解(と)きがされません。誰かが殺されるたびに人形が無くなるので、確かに犯人はいるはず。なのにどの人も犯人には思えない。最後は題名どおり本当に「誰もいなくなった」。しかも島には10人以外誰も出入りしていないようなのです。まさに恐怖(きょうふ)のミステリー。全員いなくなった時の衝撃(しょうげき)は大きかったです。真相(しんそう)を知る前は何が起きたのかさっぱり分からず、とても印象に残る小説になりました。ドラマで知っている人もいるかもしれませんが、原作も是(ぜ)非(ひ)お楽しみください。

【ひとくちメモ】2015年、アガサ・クリスティーは生誕125年を迎えました。イギリスで開催された様々なイベントの中に、彼女の一番好きな作品を選ぶ、というものがあり、「そして誰もいなくなった」が1位を獲得したそうです。世界中で愛されている作品です。ぜひ皆さんもご一読ください!
 

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