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クローバー10号(3月17日)

「今年度のロービジョン支援センターと来年度に向けて」 校長 五十嵐 昌司
 本校は今年度、校名を「秋田県立盲学校」から「秋田県立視覚支援学校」に変更し、開校105年目を迎えました。「ロービジョン支援センター」は、県内の視覚に障害のある乳幼児から児童生徒及び成人の方とその家族、関係機関等に対する教育相談と地域支援を行い、特別支援学校としてのセンター的機能の充実を図ることを目的として、平成24年度に設置しました。それまで分掌部の一つであった視覚支援部を全校体制で携わる体制に改編してスタートし、今年度で5年目になります。
 今年度の取組の特色としては、理解啓発活動の推進が挙げられます。小・中学校、高等学校、大学への協力として、本校教員が9校延べ10回にわたって訪問し、視覚障害や福祉に関して体験的に学ぶ授業の講師を務めました。平成27年度は6校延べ7回の訪問でしたので、校数や回数が5割前後増えています。加えて、本校PTAと連携して、昨年度に引き続き点字ブロック啓発用ティッシュの配布を実施するなど、視覚障害や本校の教育活動を知っていただく様々な活動に力を入れてきました。
 また、サテライト教室は、遠方のため本校に来校しての相談が難しい方に対して、県北地区や県南地区等に平成19年度より設置され、10年目を迎えました。今年度は中央地区のセンター教室も含めると、19名延べ33回の相談がありました。来年度は、新たに由利本荘にかほ地域でのサテライト教室の開設を計画しております。
 加えて、秋田県眼科医会をはじめとする医療、教育、福祉、労働等の関係機関の連携の下、視覚障害のある方々に役立つ情報を提供するためのリーフレット「秋田県版スマートサイト」の作成に着手し、来年度からの運用開始も予定されています。
 今後もフットワーク、チームワーク、ネットワークを大切にしながら、県民の皆様に理解され信 頼される学校をめざして、精一杯取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

高等部専攻科生活情報科について
 平成22年度に設置された生活情報科は、中途視覚障害者等を対象とし、日常生活動作や歩行、点字等のリハビリテーションを中心とした教育課程が組まれている、全国の特別支援学校(視覚障害)で唯一の学科です。視覚障害から生じる見えにくさによる一人一人のニーズに応じて、QOL(生活の質)や知識・技能の向上、積極的な社会参加を目指しています。授業は原則週5日で修業期間は1年です。
 なお、時間割は生徒の実態及びニーズの聞き取りを基にして作成しています。また、年度途中であっても、学習状況等によって変更することもあります。 
◆入学対象
 専攻科生活情報科の入学対象は、「両眼の矯正視力がおおむね0.3未満の方」「視力以外の視機能障害(視野狭窄・夜盲など)がある方」「将来視力が著しく低下するおそれのある方」等、見え方に不安のある方が対象です。入学した生徒は通学にスクールバスを利用したり、遠方の生徒は寄宿舎に入ったりすることができます。また、収入に応じて就学奨励費を受けることもできます。

◆学習内容の紹介
 学習内容の詳細(例)については次のとおりです。
日常生活動作(食事):ごはん・味噌汁の盛り付け、クロックポジションの確認、インスタントコーヒーや日本茶の入れ方、茶道具の名称と使い方
日常生活動作(住まい):掃除(掃除機、拭き掃除)、袋やひもの結び方
日常生活動作(金銭):切符券売機の利用、ATMでのお金の払い戻し、コインホームケースの紹介
日常生活動作(整容):耳かき、爪切り、衣類のたたみ方、衣服のコーディネート(TPOを考えて)等
日常生活動作(文房具):ヴィジュアル イーズ ブラック(ノート)の使用、見えやすいペンの選択、点字盤の紙のセットの仕方、紙の三つ折り等

調理:炊飯器で作るおやつ【ガトーショコラ、アップルケーキ】、オレンジゼリー、だまこもち、餃子、肉野菜炒め等の調理(包丁の使い方、食器洗い、片づけ等を含む)、家庭で活用できる器具や調理について

歩行(歩行技術):白杖の持ち方、振り方、点字ブロックや壁等の伝い方 、横断歩道の渡り方、手がかりの活用

歩行(歩行ルート):学校⇔いぶきの里、学校⇔遊学舎バス停、学校⇔日赤病院 、秋田駅東口タクシー降り場⇔秋田駅ホーム
歩行(交通機関):タクシーへの電話依頼と使用、路線バスや電車の利用
歩行(その他):見知らぬ人への援助依頼、買い物や手引き歩行の際の白杖の扱い方

情報:音声パソコンの活用(ピンディスプレイを使った文章編集、校正読み・ショートカットキーやマーク機能の活用、インターネットの活用)、プレクストークの活用、iPadの活用

 

本校職員オススメ!パソコン&スマホ用無料ソフトの紹介!
1「梨(なし)ズーム」for Windows
 拡大鏡ソフト。ウィンドウ内ではなく全画面表示されるため、デスクトップそのものが拡大された感覚で使うことができます。デスクトップの表示倍率は1~8倍の8段階で選択でき、画面の小さいノートパソコンで細かい作業をするとき などに利用すると便利です。
2「Dragon dictation(ドラゴンディクテーション)」 for iPhone、iPad、iPod touch
 音声認識ソフト。自分の声や音声をテキストに変換し、データとして保存するだけでなく、E-メールの送信や、他のソフトやアプリケーションへの貼り付けも可能です。
3「CrossHair(クロスヘアー)」for Windows
 パソコンのマウスカーソルを照準用の十字線へと切り替えることができるソフト。十字線の中心がカーソルの位置と重なるため、クリックやドラッグなどの操作機能も通常通り使うことができます。

 

あなたは「白杖SOSシグナル」普及啓発シンボルマークを知っていますか?
 白杖を頭上50cm程度に掲げてSOSのシグナルを示している視覚に障害のある人を見かけたら、進んで声をかけて支援しようという「白杖SOSシグナル」運動の普及啓発シンボルマークです。 白杖によるSOSのシグナルを見かけたら、進んで声をかけ、困っていることなどを聞き、サポートをしてください。
※駅のホームや路上などで視覚に障害のある人が危険に遭遇しそうな場合は、白杖によりSOSのシグナルを示していなくても、声をかけてサポートをしてください。
※内閣府「障害者に関するマークについて」より引用

 

御相談のお問い合わせは
秋田県立視覚支援学校 ロービジョン支援センターへ御連絡ください。
相談担当:菊地雄平 佐藤加奈子 長崎雪子 落合久貴子

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