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クローバー4号(7月22日)

●視覚障害者と収納~日常生活の工夫~
 外出先や家庭で視覚障害者はどんな工夫をして日常生活を送っているのでしょうか? 工夫されている一例を紹介します。
○傘や白杖 持ち手などにゴムやテープを巻く、シールを貼る等目印を付ける。
○靴 靴が離れないように(目印の意味でも)洗濯バサミ等で連結させておく。
○財布・お札・小銭 財布はお札・小銭、各々に小分けにできるポケットが付いている物を選ぶ。「一万円札は二つ折りにし向きを変える」など自分のルールを作る。
○診察券などのカード類 ポケットタイプのファイルに入れて保管し、わかりやすく記入する。
○書類やCD 教科やジャンルなどわかりやすくグルーピングする。
○薬等 形が類似する物は、「朝用」「昼用」「夜用」等、用途に合わせて容器等の形を変える。
ポイント① いつも決まった場所に収納(見えない・見えにくい人は捜し物が苦手です。)
ポイント② 分かりやすく印を付ける。(ポケットタイプのファイルやファスナー付きケース・小袋に、工夫したラベル・付箋を貼る等)

 

●見えない・見えにくい方の余暇活動~茶道の魅力に触れる~
 6月23日(木)「秋田県ゆとり生活創造センター遊学舎」で、1回目の「あいサポート教室合同講座」を行いました。小雨が降るあいにくの天気ではありましたが、本校高等部専攻科生活情報科生1名と受講生5名が参加しました。
 遊学舎にある趣ある茶室にて、遠州流と裏千家の流派の二人の先生から茶会の一連の様子を分かりやすく教えていただきました。初めに、秋田蕗をかたどった上生菓子をいただき、お菓子の彩や蕗の形など、思い思いの感想を話し合いながら味わいました。その後、お茶をいただきましたが、いただく時の所作を教わり少し緊張しながらもおいしくいただくことができました。和菓子の甘さと抹茶の苦さがほどよく、大満足なひと時となりました。その後、講師の先生から教わりながら、参加者一人一人がお茶をたてました。数年ぶりにお茶をたてた方やなかなか泡がたたず苦戦する方、自分でたてた味に大満足し飲み干す方、中には講師の先生との味の違いを述べる方もいて、楽しく和やかな雰囲気で交流が深められました。また、掛け軸の書や茶花、茶道具、香木などを教えてもらい、お菓子やお茶だけでなく、茶室全体の雰囲気や香りからも茶道に触れることができました。
 今回初めての試みとして会場を学校から遊学舎に移して行いました。本格的な茶室を利用する機会にも恵まれ、心地よい緊張感を感じ、和やかな雰囲気での交流となりました。
 次回、あいサポート教室合同講座は、「11月17日(木)太巻き作り」を予定しています。

 

●ワンポイントアドバイス~教室編②~
 学習指導では、色の判別を要する表示や教材を用いる場合には、誰でも識別しやすい配色で構成し、色以外の情報も加える工夫が必要です。
【色に配慮した支援】
1板書
(1)黒板は、明るさが均一になるように照明を工夫する
黒板に直射日光が当たったり、蛍光灯の光が直接反射したりして見えにくくないか
(2)黒板は、常にきれいな状態を保つ
板書を消すときはよく消し、チョークの粉で汚れたりして見えにくくないか
(3)チョークは、白と黄色を主体に使う
赤、緑、青、茶色などの暗い色のチョークで文字を書いていないか
(4)色以外の情報を加える※あえて白と黄色以外の色チョークを使用する場合は・・・
・太めの文字や線で、大きく、はっきり書き、色名を伝えます。
・白チョークでアンダーラインや囲みをつけます。
・色分けをした区域には境界線をはっきり示し、文字や記号を併記したりします。
2掲示物・グラフ・図表・コンピュータetc...
(1)なるべく少ない種類の色で構成し、形、大きさ、模様、明暗などの色以外の情報を加える。
(2)グラフ等で色を用いる場合は、文字、記号などを併記したり、境界をはっきりさせたりする。
(3)文字と背景の色には、分かりやすい組合せの色を使用し、明暗のコントラストを強調する。
(4)折れ線グラフでは、線は太く、実線と点線又は太さなどを使い分け、マーカーはなるべく大きく、色のみでなく形状も変える。
(5)文字と背景の色は、明暗の差をはっきりさせる。
※誰にでも分かる色の組合せを評価する
提示前にモノクロのディスプレイで表示してみたり、白黒印刷したりして、コントラストがはっきり分かって見やすいかを確かめてみましょう。
引用文献:『文部科学省『色覚に関する指導の資料』

 

●小・中学生のための体験学習(視覚障害)
 視覚支援学校では秋田市内小・中学校の児童生徒のみなさんを中心に、学校見学や視覚障害に関する様々な体験活動等をお引き受けしております。たくさんの方々に、視覚支援学校のこと、視覚障害のことをもっと知っていただきたいと考えております。「総合的な学習の時間」などに御活用ください。

期日 8月下旬から11月下旬まで
※希望日時については、あらかじめ担当者へ御連絡ください。
時間 1時間~1時間30分程度
場所 秋田県立視覚支援学校
定員 各コース20名程度
内容 Aコース 点字体験(点字の基礎知識、点字を打ってみよう)
Bコース 視覚障害疑似体験(見えないってどんなこと? ユニバーサルデザイン)
Cコース 盲導犬について

 

●科学へジャンプin 仙台2016
 「科学へジャンプ」とは、NPO 法人サイエンス・アクセシビリティ・ネットが運営する、視覚に障害のある子どもたちに、科学の面白さを知る体験・実習やIT活用による新しい可能性の広がりを感じ取る機会を提供している事業です。2010年より毎年開催されており、今年は11月5日(土)に宮城教育大学(宮城県仙台市)にて行われます。
 過去には本校の生徒も参加したこともあり、「他校の生徒と一緒に学習できてうれしかった」「実験が楽しかった」などの感想が聞かれました。
事業の詳しい内容はホームページhttp://www.jump2science.jp/ を御覧ください。

 

御相談のお問い合わせは秋田県立視覚支援学校ロービジョン支援センターへ御連絡ください。
相談担当 菊地雄平 佐藤加奈子 長崎雪子 落合久貴子 

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