校長あいさつ

秋田県立視覚支援学校
校長 髙 橋 斉
本校は、明治45年(1912年)4月、「秋田県立盲唖学校」として開校し、今年度創立111年目を迎える秋田県で唯一の視覚障害特別支援学校です。平成22年4月、「あきた総合支援エリア『かがやきの丘』」に新築移転し、現在に至っています。今年11月23日(水)に、創立110周年記念式典の開催を予定しています。
令和4年度は幼稚部2名、小学部4名、中学部2名、高等部普通科6名、高等部保健理療科1名、高等部専攻科保健理療科2名、同理療科5名、同生活情報科1名、計23名の幼児児童生徒が在籍し、次の教育目標とめざす幼児児童生徒像、教育方針を掲げ、教育を行っています。また、教職員は幼児児童生徒の学びの意欲に応えるべく、視覚障害教育の専門性に基づく指導の充実と、その維持・継承に努めています。
・教育目標
視覚に障害のある幼児児童生徒に、その発達段階に応じた教育を行い、視覚障害の状態を改善し克服するために必要な知識、技能を習得し、社会参加に向けて自立できる人間を育成する。
・めざす幼児児童生徒像
○心身ともに活力にあふれる幼児児童生徒
・心身ともにたくましく、最後までがんばり抜く。
○明るく思いやりのある幼児児童生徒
・明るく、思いやりの気持ちをもって互いに助け合う。
○目標に向かって意欲的に取り組む幼児児童生徒
・全力で取り組む中で己の成長を実感し、社会の一員として自立的に生きる。
・教育方針
○自主的、創造的活動を尊重し、自らを表現する力を育む。
○豊かな人間性と広い視野をもつための資質を育む。
○様々な困難を克服し社会参加に向けて、自立する力と感謝する心を育む
本校には幼稚部、小学部、中学部及び高等部の4学部があり、寄宿舎もあります。
高等部には普通科、保健理療科(中学部または中学校卒業者を対象)及び専攻科(高等部または高等学校卒業者を対象)があります。専攻科には、3年課程の保健理療科と理療科、1年課程の生活情報科があります。この生活情報科は、視覚の障害に応じたQOLの向上を目指し、積極的に社会へ参加することを目的として平成22年度に設置された、全国唯一の学科です。また、保健理療科は「あん摩・マッサージ・指圧師」、理療科は「あん摩・マッサージ・指圧師」「はり師」「きゅう師」の国家資格取得を目指し、成人の生徒が学んでいます。
また、本校は特別支援教育のセンター的機能の充実を図るため、平成24年度からロービジョン支援センターを設置し、視覚に障害のある乳幼児から児童生徒及び成人の方々やその御家族、関係機関等へ、視覚に関する相談支援を行っています。どうぞお気軽に御相談ください。
加えて、秋田県眼科医会をはじめとする医療、教育、福祉、労働等の関係機関の連携のもと、視覚障害のある方々に役立つ情報を提供するためのリーフレット「秋田県版スマートサイト」を作成・配付する取組も行っています。
さて、今年度も開始に当たり、私の好きな言葉「一隅(いちぐう)を照らす、これ則(すなわ)ち国宝なり」を児童生徒や職員へ伝えました。昨年度から、事あるごとに繰り返し話してきた、この言葉には「片すみの、ともすれば見落とされがちな物事に、きちんと取り組む人こそが尊い人、価値のある人」という意味があります。「児童生徒には、このような人に育ってほしい」という、私の教育者としての思いや願いも込められています。児童生徒たちが、学校生活において「自分の安心できる場、活躍できる場を見つけること」「勉強や行事、生徒会・委員会活動、部活動など、まず目の前のことに真しに誠実に向き合い、今、自分にできることに懸命に取り組み、その場で一隅を照らしていくこと」が大事と考えます。
最後になりますが、私たち教職員は、視覚障害教育の専門性を高めるための研究・研修にまい進し、開校以来の伝統を引き継ぎ、時代の流れやニーズに応じた教育を提供することで、皆様に信頼される学校をめざします。今後とも、御理解と御支援をよろしくお願い申し上げます。
(令和4年4月)
本文はここまで
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