項目 |
特徴的な内容 |
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聴覚障害児の特性 |
聴覚に障害がある場合には、音・音声情報が受け取りにくいことから、言語の受容・表出の両面で困難が生じやすいので、そのことに配慮した指導が必要になる。保有する聴覚を補聴器等を用いて活用したり、視覚を活用して外界の認知を行う。 |
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@ 聴覚を通して得る情報の不足 A 言語概念の形成が困難 B 自分の音声を聴覚でフィードバックすることが困難なため、発音が不明瞭になる。 C 言葉による意志の疎通が難しい。 |
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指導方法 |
指導方法の特色 |
@ 早期からの教育的対応 言語概念の形成において、発達に即した早期からの教育的対応が大切である。小学部では、早期から培ってきた言語力をベースに、教科指導等を行う。 A 聴覚の活用 保有する聴覚を活用し、効果的な学習活動を行う。 B 多様なコミュニケーション手段を活用して、活発なコミュニケーション活動を行う。(聞くこと、読話すること、話すこと、書くこと、キュード・スピーチ、指文字、手話など) C 児童生徒の具体的な経験等に照らし合わせて学習内容をかみ砕き、理解、思考へと発展させる。 D 言語概念の形成 児童生徒の主体性を尊重しながら、経験と言葉を結びつけて言語概念を育てる。また、教科指導等で新しい知識や概念を学習した時には、言語の受容・表出を的確に行うように務め、体系的に言語の習得を図る。 E 視覚的に情報を獲得しやすい情報機器等の有効活用 VTR、OHP、短冊黒板、コンピュータ等から得た視覚的情報を、言語によって的確に理解を図る。 |
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教材・教具の活用 |
@ 集団補聴器 (クラスの児童生徒に確実に教師の声が届く。相互通話式の場合は、児童生徒同士の声も届く。) A FM補聴器(教室、個別指導、運動場等、柔軟に対応ができる。音質がよい。) |
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指導上の 配慮 等 |
各教科 |
国語 |
@ 聾学校における国語の指導は、その基礎となる言語の習得や言語概念の形成の状況によって、その効果が左右されるため、常に言語を用いる能力や態度を養う配慮が重要である。自立活動では、言語習得や言語概念の形成の基礎的・基本的な能力や態度を養うことに重点が置かれており、国語科と自立活動を密接に関連させ、国語科における指導が自立活動において指導される内容の応用発展となるようにすることが大切である。 A 読むことの指導 B 書くことの指導 C 言葉に関する指導 D 読書、話題の選定、辞書の利用等の指導 |
社会 |
@ 言語経験に基づいた具体的な社会事象の理解 A 経験の拡大化の過程で、思考活動の活発化 B 社会的視野の拡大 (新聞等文字を読み取る能力や情報を積極的に獲得する態度を養う。) |
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算数・数学 |
@ 経験や言葉の能力を考慮し、できるかぎり具体的な事例を取り上げる。 A 問いかけや説明方法を工夫し、数学的な概念・思考力の形成 |
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理科 |
@ 直接経験、観察実験の重視 A 音に関する教材は、補聴器や振動感覚の活用 |
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生活 |
@ 経験を言語化して定着させる工夫 |
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音楽 |
@ 基礎的なリズム感の養成(身体表現や聴覚活用) A 旋律や和音、歌唱の指導での聴覚障害の状態への配慮 B 鑑賞指導の際、音の聴取や弁別の配慮 |
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図画工作・美術 |
@ 表現活動を明確にするためのイメージの言語化を行う。 |
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体育・保健体育 |
@ 水泳を除くすべての領域での補聴器の活用 A 体育館や運動場の音響設備の配慮 B 聴覚障害及び平衡機能の障害に起因する事故の防止 C 競技種目での、ホイッスル・合図等の工夫 |
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家庭 技術・家庭 |
@ 聴覚の障害に起因する事故の防止 A 情報化の進展に伴い、コンピュータ、ファクシミリなどの情報機器の積極的な活用 |
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英語 |
@ 国語についての言語習得及び言語概念の形成を踏まえた外国語の学習 A 読むこと書くことに重点を置いた指導 B 発音の指導での配慮(発音、イントネーション) |
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道徳、特別活動、 総合的な学習の時間 |
聴覚障害の特性を踏まえた指導計画の作成及び実施 |
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指導上の配慮等 |
自立活動 (主な内容) |
@言語指導 ・聴覚障害児の言語指導と発達を促す指導 ・日本語の基礎的・基本的な言語体系を習得させる指導 ・正しい発声・発語をできるようにする指導 ・聾学校用国語(言語編)を活用した発音等の指導 A 聴覚学習 ・保有する聴覚を活用する指導 ・補聴器等の活用の指導 B コミュニケーションの指導 ・読話の指導 ・キュード・スピーチの指導 ・指文字の指導 ・手話の指導 |
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聴覚障害の原因に関する知識と理解 |
@ 聴覚障害の原因に関する基礎的な知識と日常生活や学習上の配慮事項の理解 A 聴覚器官、音声器官、音や音声の基礎的な理解 B 医療と聴覚障害教育の連携の理解 |
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聴覚障害児の発達に関する理解 |
聴覚障害があることが、児童生徒の心理的、身体的、社会的な発達にどのような影響を及ぼすかについての理解 |
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実態把握の方法 |
@ 聴力検査(標準聴力検査、幼児聴力検査) A 補聴器の特性 B 言語発達検査 C 発音明瞭度検査 D 教室環境等の把握(騒音計をつかった音環境の測定) |
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情報機器の活用能力 |
@ 発音発語訓練器、音声分析装置の操作・理解・活用 A ITを活用した教材作りとその活用 B 文字多重放送、インターネットのメール等の理解と活用 |
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特色ある職業教育 |
理容・美容、歯科技工、産業工芸、印刷、被服等に関する資格制度やカリキュラムの概要に関する理解 |
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