【補聴器】

Q6 集団補聴システムについて教えてください。

音は拡散していきますので、話し手との距離が開くにつれて音が小さくなります。個人の補聴器は、1mの距離で声が適切にはいるよう調整されていますので、教室や体育館など距離が離れたり、雑音が多いところでは、限界があります。そのようなときには集団補聴システムが威力を発揮します。

(1)磁気誘導ループシステム
話し手の声をワイヤレスマイクで拾い、アンプを通して、床の下にしかれた配線に流し、磁界を発生させます。個人の補聴器のテレホンコイルで磁界を拾って増幅させ、耳に届けるというものです。
磁気誘導ループシステムのアンプとワイヤレスマイク


(2)赤外線を利用した補聴システム
有線またはFM電波でアンプに入力した音や音声を赤外線に変換し、教室等に設置した赤外線ラジエターから室内に発信します。子どもは個々に赤外線レシーバーを装着し、補聴器の誘導コイルまたは外部入力端子から受信します。
赤外線補聴システムのアンプと赤外線レシーバー

集団補聴システムを使用する場合の注意があります。



○マイクの取り扱いの注意
  • 口元から10〜15cmの位置に正しくつけます。
  • コードは丸めず、のばします。
  • マイクが、ネクタイピンなどにあたると「カチカチ」という音が届きます。
  • マイクはスイッチを入れたまま、机の上に無造作におくと、「ガリガリ!」という大きな音が届きます。机の上にタオルなどをおいて、その上におくようにすればいいでしょう。
  • 使用しないときは、不要な音が届かないよう、スイッチを切るようにしてください。
  • スイッチを入れたり、切ったりするときは子どもにも合図を送るようにしましょう。



参考資料
教室における聞こえへの配慮  補聴器・人工内耳をつけた子どもが楽しい学校生活を送れるように
日本教育オーディオロジー研究会 難聴理解のための冊子作成委員会

聾学校における専門性を高めるための教員研修用テキスト 全国聾学校長会教育課程第二部会編


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